Cinema

想い合っていても人間は、すれ違ってしまう。相手の気持ちに立って、優しくしてあげることはとても難しい。映画を観ている間、ずっと胸が痛かった。ASDを認識する主人公の生きづらさは社会の乏しい部分を浮き彫りにする。主人公を演じた瑚海みどりの説得力あるキャラクターに圧倒され、夫役の二階堂智の誠実さに涙した。

今回のガラスの動物園のローラが結婚したような映画は、社会と戦いながら、なんとか頑張ってきた人の胸に響くと私は思う。

MIDORIさん自身のザクバランで正直な、クリエーティブな才能が（作品も、演出も、演技も）この作品を通して本当に光っている。夫婦愛が見事によく描かれていた。それは演技のよさが自然に、おかしく、何気なく、深く、優しく、人間味あふれている。時に二階堂さんの力強さも含め、二人の間に確実に存在して、大きな魅力です。 アスペルガー、子供ができない夫婦、いろいろな点からも、人に大事なメッセージが託しています。しかし、それはあえて、全く押し付けないように、ドキュメント的な要素もあり、浸透していく感じしました。

枯れ木の森みたいな世界に、葉が生えてくるかも知れないね。俺も、この物語の中のどこかにいたかった。「99%、いつも曇り」を観た人はきっとそう思うよ。世界の人に観てもらえ🍀

人生とは何なのか、幸せとは何なのか、普通とは何なのか。何が正しいことなのか、何のために生きているのか。現代社会の問題も含め、様々なことを考えさせられる作品でした。必死に前を向いて生きていく一葉。その瑚海みどりさんの演技や表情にも引き込まれました。観終わった後、もう1度この映画を観たくなったのは、なんでだろう〜。

私は「特別」とか「変わってる」が褒め言葉だと信じて生きていたので「普通」にも敏感です。日常にある些細な悲しみと幸せが上手に描かれていて胸が苦しくなります。瑚海みどりさんと二階堂智さんの夫婦喧嘩はドキュメンタリー映画のようです。みんなちがってみんないい。「普通」は「同じ」な訳ないもの。

生きづらく曇りがちな人生に、わずかな光がさす。 その瞬間がとても尊く、美しい。 

カメラがよい。 主人公が次の瞬間に何をしでかすか、 旦那がそれをどう受け止めるか、それを見逃すまいとするカメラの緊張感が最後まで持続している。 そうさせた俳優たちもよいということだ。

それぞれの夫婦には、人知れず抱えているそれぞれのものがある。そんな日常に埋もれている、脆くて繊細な魂を描き出すことができる監督兼主演の瑚海みどりさん。その才能に、我々は今後ますます彼女から目が離せなくなるだろう！

あえて書くが、この作品は、５０歳の無名の俳優が、これで終われるかと一発奮起、映画学校で創作を学び、お金だけでなく自分の全てを投入して作り上げた大博打だ。